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シリーズ同時代Vol.3「まほろば」 [演劇・芸術]

@新国立劇場 小劇場

 「シリーズ同時代」の3作目であり、ラスト。脚本はモダンスイマーズの蓬莱竜太氏、演出は新国の芸術監督も務めた栗山民也氏。上演時間は1時間45分ほど。

 長崎のある村。村祭りのタイミングで東京から帰ってきた長女と、本家の人間として村に住む母と祖母。奔放に暮らす次女に、長女と同様に東京から帰郷してきた次女の娘。それに次女が預かってきた家格が下の家の娘。10、20、30後半、40、60、70歳台後半と世代が異なる6人の女性たちが1つ屋根の下に集まった1日。

 男性の私では体験しえない妊娠や出産など、それにまつわる事柄と、登場人物それぞれが持つ考えや思い、立場などが組み合わさり、混ざり合いながら話が進んでいく。

 実際、こういう話が繰り広げられる場があったとして、男性である私がその場にいたら、ほとんど発言することなく、傍観者として佇んでいるのが限界であろう。下手をしたら、隙をみてその場から逃げ出してしまうかもしれない。そういう意味では、祭りで男が出払った本家宅での女性たちの会話という中ではあながち無い内容ではないのかもしれない。

 こうしたテーマだと、下手をすれば引いてしまいかねないのだが、本作の場合はそうしたことはなく、最後まで引き込まれるように観る事ができた。台本そのものの完成度もそうだが、演出や舞台美術、それに何より実際にも年代がことなる役者たちが持つ、それぞれの演技にも魅入られてしまった。

 The BEEでの秋山菜津子を除けば、他の5人は初見でしたが、三田和代の何とも言えない抑揚の効いた話し振り。中村たつがかもし出すお婆ちゃんらしさなどは堪らなく、ハバネロを食べた後の表情に笑い、ニンテンドーDSでマリオをプレイするという構図も今っぽさがあってよかった。そして、まさかマリオのBGMが舞台でこれでもかと出てくるとは思わなかった。

 シリーズ同時代3作の通しチケットを買うにあたって、あまり注目をしていなかった本作でしたが、見終えてみれば1番に引き込まれ、楽しめた作品となりました。3作で誰かに薦めたい作品は何かと問われれば、間違えなく本作を選択したでしょう。

 もちろん、他の2作でも感じさせることは多々あり、それぞれに得るものがあったと言えます。そして本作に関しては、まずはモダンスイマーズの2009年2月公演に足を運ぼうと強く思った次第。

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000041_play.html




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