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冨士山アネット「不憫」 [演劇・芸術]

@ザ・スズナリ、チケット代:早割2500円

 一風変わった病院に新たに入院することとなった患者と、病院を統べる病院長とのやりとりからスタート。公演時間は50分ほど、足を運んだ日は定刻から12~3分ほど遅れて開演となりました。

 舞台最前の上方には大型モニターがつり下げられており、冒頭のシーンはカーテンに囲まれたエリアを俯瞰撮影して映し出す。新たな患者が入院と相成ったところで、カーテンが取り除かれ(正確にはカーテンレールに沿って、オープンになっていく)、他の病院関係者や患者たちが登場してくる。

 会場柄、前方に座っているとモニターは見上げる必要があり、中盤以降に出てくるモニターによる演出と、舞台上での動きを同時並行的に見ることは難しかったかなと思う。その逆に、舞台手前で寝転がっているシーンは前方ならではの特典とも言えそう。

 間を置くことなく、次々とパートが音楽とともに進行していく印象で、テンポ感が良かった。音量は少し控えめで、時折、動きと音楽が浮いてしまっている感じも受けた。個人的には、いっそ爆音にして観客席も取り込んでしまうと、ワクワク感が高まって良いなぁと思った。また、カーテンを2重化して舞台を仕切っていくのはシンプルだけど、新鮮な演出でした。

 モニターに映し出されるのは、一部を除きほぼライブ映像。ビデオカメラをよく見ると、無線キットか何かが下部に装着されていた雰囲気。バリアングル液晶だったので、時折、見せる複数演者との絡みで、バリアングルをうっかり折ってしまわないか無駄にどきどきしてみた。

 出演者同士の動きはダンスと言えばダンスだけれど、それぞれが絡み合うときは格闘技、組み手のような印象でした。全員がダンサーというわけではないため、人によって動きの滑らかさに差が出ていて、ちょっとカクカクしてしまっていたのは少し残念だった。

 公演終了後にはアフタートークとして、カンパニーデラシネラの小野寺修二氏が登場。それぞれの制作過程や考え方が垣間見られたのは収穫でした。デラシネラは直近で見たけれど、きちんと話している小野寺氏を拝見できたのは今回が初めて。アフタートークと言いつつ、30分近くあったものの、こちらも時間を感じさせることはなく。

 気になった点はいくつかありましたが、「ここが駄目だったから、ちょっと」のではなく、「ここが良くなれば、一層面白いことになりそう」と感じさせてくれたので、次回公演も引き続き。現況の価格体系を踏まえれば、十二分な内容でした。

 2009年5月に海外ツアーの凱旋公演が、2009年秋に新作公演を予定しているとのこと。

http://fanette.fc2web.com/




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