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双数姉妹「やや無情… LES PETITS MISERABLES」 [演劇・芸術]

@THEATER/TOPS

 公演時間は約2時間。2003年上演作を改訂した作品ですが、私は初見でした。

 ある刑務所に服役する受刑者たちと、彼・彼女らに更正指導として演劇のレッスンを行なう女性演出家・トムカイ。劇中劇スタイルで進行していき、「チューブラルーム」「トリアージ」にあったような歌唱シーンはなかった。

 受刑者に接するにあたってのノウハウを知らないままに質問や行動を起こしていくトムカイに、反発しながらも徐々に受け入れる受刑者たち。最初のうちは、その交差に対立の不安を覚えるも、話が進んでいくにつれ、それぞれに思惑はあるものの、ゆっくりとやさしい雰囲気に包まれていく感覚を受けた。

 劇中でレッスンが進む劇中劇は、一般劇場を使った公演を目指していく。最終的な部分はある意味で考えられる点だけれども、劇中にある現実と劇中劇の台詞とがあいまって、すっと引き込まれる。ふと、周りからすすり泣く声も聞こえ、当の自分も涙腺が緩んだ。

 観劇後、実に良い雰囲気の芝居だったなと満足。あと、公演中には受刑者達に振られていた番号を見て、読みを考えたりと、別の意味でも楽しんだりしていた。

 できれば、女性演出家のトムカイをはじめとした更正指導する登場人物たちへのスポットがあると一層充実したかなと思います。このうち、主役格のトムカイに関してはフライヤーでの「崖っぷち劇団」との記載、劇中冒頭での慌てている雰囲気、そして劇中の「1,000万円の助成金」と劇中劇にあった「1,000万円を用意した」あたりをリンクしていくと、幾らかは補完できそう。ただ、最終的には「崖っぷち」云々を問わず、受刑者達と目標に向けて切磋琢磨してるシーンに感銘を受けたのは確かです。

 また、2007年に入団した新人7人の役者陣も存在感が増していて、1年という短い年月も、その実、深いものなのだなと考えを改め、自分に投げかける。帰りがけには、チューブラルームのDVDと本作台本を出演者の手売りで購入しつつ、一言だけ感想を告げて帰宅。

 次回公演は2008年7月~8月、青山円形劇場にて2作品が同時進行する「サナギネ」が再演。双数姉妹劇団員、猫のホテル・いけだしん氏らの客演に加え、“他”とあり、登場人物の多そうな予感です。

http://www.duelsisters.com/




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